ミトコンドリアを活性化・増やす方法|40代からのNAD+とエネルギー産生
「最近、疲れやすくなった」「以前と同じ生活をしているのに体が重い」——40代以降、こうした悩みを抱える方は少なくありません。その根本にあるのが、ミトコンドリアの減少と機能低下です。運動・食事・サプリメントでミトコンドリアを増やし、活性化させるアプローチについて、NAD+との関係も含めて詳しく解説します。

ミトコンドリアとは何か——細胞のエネルギー工場の基礎知識
ミトコンドリアは、私たちの体を構成する約37兆個の細胞のほぼすべてに存在する小器官です。その主な役割は、食事から取り込んだ栄養素を「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーに変換することです。
ミトコンドリアは1つの細胞に数百〜数千個も存在し、特にエネルギー需要の高い心臓や筋肉の細胞には多く集まっています。細胞の中にありながら独自のDNA(mtDNA)を持つ点も特徴で、もともと太古の細菌が細胞内に共生したと考えられています。
ATPとはエネルギーの"通貨"
ATPとは、体内でエネルギーをやり取りするための共通通貨のようなものです。筋肉を動かす、脳が働く、心臓が動く——こうしたあらゆる生命活動はATPを消費することで成り立っています。
ミトコンドリアは、グルコース(糖)や脂肪酸を原料にして、TCAサイクル(クエン酸回路)と電子伝達系という2段階の化学反応でATPを生み出します。この過程が滞ると、エネルギー不足が生じ「疲れやすさ」として感じられます。
ポイント
ATPは「貯めておけない」エネルギーです。体内のATP総量は約250gとされ、1日に体重分(数十kg相当)のATPが使われては作られを繰り返しています。ミトコンドリアの機能が落ちると、この「作り直す速度」が低下します。
ミトコンドリアが減るとどうなるか
ミトコンドリアが減少・機能低下すると、ATP産生の絶対量が下がります。すると、体に次のような変化が表れやすくなります。
- 午後になると急に眠気・だるさが増す
- 以前は平気だった運動後の回復が遅くなる
- 集中力が続かず、ブレインフォグ(頭の霧)を感じる
- 代謝が低下し、体重が増えやすくなる
- 睡眠時間を確保しても疲れが取れない
これらは「年齢のせい」で片付けられがちですが、ミトコンドリアの質と量の低下が根本にある場合が少なくありません。
40代からミトコンドリアが急減する理由——NAD+低下との関係
研究では、加齢に伴ってミトコンドリアの数と機能が低下することが確認されています。40代以降、多くの方が「体の変化」を感じ始めるのは、ミトコンドリアの急激な減少と、それに深く関わるNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の低下が重なるタイミングと一致しています。
NAD+年代別減少——20代→40代で約50%
NAD+は細胞内でエネルギー代謝の補酵素として働く分子です。ミトコンドリアのATP産生反応において、電子を受け渡す「運び屋」の役割を果たします。
研究によると、NAD+の体内量は20代をピークに年々減少し、40代では約半分、60代では20代の約25%程度になるとされています(Verdin, 2015; Rajman et al., 2018)。NAD+が減れば、ミトコンドリアの電子伝達系の効率が落ち、ATP産生量が低下します。
NAD+とミトコンドリアの関係
NAD+はミトコンドリア内でNADH→NAD+のサイクルで再生されながら使われます。このサイクルが回ることで電子伝達系が動き、ATPが生まれます。NAD+が枯渇するとこのサイクルが止まり、エネルギー産生が一気に落ちます。
PGC-1αがミトコンドリア生合成のスイッチ
ミトコンドリアの新しい産生(生合成)を制御する中心的な因子がPGC-1α(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクティベーター1α)です。PGC-1αが活性化すると、細胞内でミトコンドリアの数が増えます。
NAD+の低下は、サーチュイン遺伝子(SIRT1/SIRT3)の活性を低下させます。サーチュインはPGC-1αを脱アセチル化して活性化する役割を持つため、NAD+が減る→サーチュイン活性が落ちる→PGC-1αが機能しない→ミトコンドリアが増えない、という連鎖が生じます。
【方法1】運動——ミトコンドリアを増やす最も確実な刺激
現時点で最もエビデンスが蓄積されているミトコンドリア増加の方法は、運動です。適切な運動はPGC-1αを直接活性化し、ミトコンドリアの生合成を促します。また、AMPKという酵素を介してNAD+の再合成を促進する経路も報告されています。
有酸素運動(週3回・30分)の具体的プロトコル
ミトコンドリアを増やすうえで特に有効とされるのが、中強度の有酸素運動を継続することです。目安は週3回・1回30分以上のウォーキング、ジョギング、自転車、水泳など。
会話しながら運動できる程度(最大心拍数の60〜70%)の強度が、ミトコンドリア生合成に最も寄与するとされています。この強度帯は「ゾーン2」とも呼ばれ、脂肪酸を主なエネルギー源として使う領域です。
- 週3〜5回、1回30分以上
- 心拍数の目安: (220 - 年齢) × 0.6〜0.7
- 「息が少し上がる程度、会話できる速さ」が基準
- 継続が最優先(強度より頻度と継続性)
HIITとゾーン2の使い分け
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は短時間でミトコンドリアを刺激できる方法として注目されています。20秒全力で動き→10秒休憩を8セット繰り返す「タバタ式」が代表例です。
ただし、HIITは体への負担が大きく、週2回程度が上限とされます。40代以降の方には、ゾーン2(中強度有酸素)をベースにHIITを月2〜4回加える複合アプローチが、持続性と効果のバランスが取りやすいとされています。
| 種類 | 強度 | 頻度目安 | 主な効果 |
|---|---|---|---|
| ゾーン2(有酸素) | 最大心拍数60〜70% | 週3〜5回×30分 | ミトコンドリア数の増加、脂肪燃焼 |
| HIIT | 最大心拍数85%以上 | 週1〜2回×20分 | ミトコンドリア機能の活性化、VO2max向上 |
【方法2】食事・断食——PGC-1αを刺激する食べ方
食事の内容と食べ方のパターンも、ミトコンドリアの活性化に影響します。特に注目されているのが、断続的断食(インターミットファスティング)と、ミトコンドリア機能をサポートする食材の摂取です。
断続的断食(16:8)でミトコンドリアが増える理由
16時間の絶食と8時間の食事時間帯を設ける「16:8ファスティング」は、AMPKを活性化し、PGC-1αを介したミトコンドリア生合成を促すとされています。また、オートファジー(細胞の自己浄化)が促進されることで、機能の落ちたミトコンドリアが除去され、健全なミトコンドリアの比率が上がる(ミトファジー)という観点も研究されています。
実践上の注意点として、断食中は水・緑茶・ブラックコーヒーは可。糖質・カロリーを含む飲食は断食時間外に行います。40代以降は急激な食事制限より、毎日16時間を目標に緩やかに実践することが長続きのコツです。
サポートする食材リスト
食事からもミトコンドリア機能をサポートする栄養素を摂ることができます。
| 栄養素・成分 | 主な食材 | 関連する作用 |
|---|---|---|
| ビタミンB群(B1・B2・ナイアシン) | 豚肉、レバー、玄米、納豆 | TCAサイクル・電子伝達系の補酵素 |
| マグネシウム | ナッツ、ほうれん草、豆腐 | ATP合成酵素の補因子 |
| ポリフェノール(レスベラトロール等) | 赤ワイン、ブルーベリー、カカオ | SIRT1活性化に着目した研究あり |
| αリポ酸 | ほうれん草、じゃがいも、肝臓 | TCAサイクル中間体との関連 |
| オメガ3脂肪酸 | 青魚、亜麻仁油、えごま油 | ミトコンドリア膜の機能維持に関連 |
【方法3】サプリメント——CoQ10・PQQ・NMN・5-デアザフラビンの役割比較
運動や食事と並行して、サプリメントによるアプローチも広く取り入れられています。ミトコンドリアに関連するサプリメントには複数の種類があり、それぞれ作用するステップが異なります。
成分別「ミトコンドリアへの作用ステップ」比較
| 成分 | 主な作用ステップ | 特徴 |
|---|---|---|
| CoQ10(コエンザイムQ10) | 電子伝達系(複合体III)での電子受け渡し | ATPの最終産生段階をサポート。加齢で体内産生が低下 |
| PQQ(ピロロキノリンキノン) | ミトコンドリア生合成の刺激(PGC-1α関連) | 新しいミトコンドリアを増やすことに着目した研究あり |
| NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド) | NAD+の前駆体として体内でNAD+に変換 | NAD+の補充を目指すアプローチ |
| 5-デアザフラビン(TND1128) | サーチュイン活性化・NAD+産生促進に関与 | NMNと異なる作用機序。サーチュイン遺伝子との関連が研究されている |
5-デアザフラビンは、NMNのように直接的なNAD+前駆体ではなく、サーチュイン遺伝子の活性化とNAD+産生の促進に関わる経路が研究されています。これにより、ミトコンドリア生合成のスイッチであるPGC-1αへのアプローチが期待されています。
CoQ10で変わらなかった人に多い原因
CoQ10はミトコンドリアの電子伝達系の「下流」に働きます。そのため、NAD+の枯渇や、PGC-1αの不活性化によってミトコンドリア自体の数が減っている場合、CoQ10を補充しても根本的な改善につながりにくいことがあります。
よくある状況
「CoQ10を2〜3ヶ月飲んでも疲れが変わらない」という方の場合、NAD+の枯渇によるミトコンドリアの機能低下が起きている可能性が考えられます。電子を受け渡す部品(CoQ10)はあっても、電子伝達系全体を動かすエネルギー(NAD+)が不足しているイメージです。
NHKガッテンで話題になったミトコンドリア——テレビ情報を超えて
ミトコンドリアは、過去にNHKの健康番組「ためしてガッテン(現・ガッテン!)」でも取り上げられ、一般への認知が広がりました。番組では主に「有酸素運動でミトコンドリアを増やすと疲れにくくなる」という内容が紹介されています。
ガッテンで紹介された「インターバル速歩」(速歩3分と普通歩行3分を交互に繰り返す方法)は、高齢者の体力維持にも有効とされるゾーン2に近い運動方法で、ミトコンドリアの質・量の維持に寄与する可能性が研究されています。
ガッテンで紹介されなかったNAD+の役割
一方、テレビ番組で取り上げられた「運動によるミトコンドリア増加」は確かに有効な方法ですが、40代以降はNAD+の低下によってその効果が出にくくなっている可能性があります。
NAD+が枯渇した状態でいくら運動しても、PGC-1αの活性化をサポートする「サーチュインの燃料」が不足しているため、ミトコンドリア生合成が十分に進みにくいことが懸念されます。運動だけでなく、NAD+の底上げを同時に考えることが、40代以降のアプローチとして研究者の間で注目されています。
ミトコンドリアを活性化したい人が次に知るべきこと——NAD+を底上げする発想
運動・食事・断食はいずれも有効ですが、40代以降の体には「NAD+の絶対量が少ない」という根本的な問題があります。この底上げを目指すのが、サーチュイン活性化・NAD+産生促進にアプローチするサプリメントの役割です。
5-デアザフラビンがNAD+産生に関わる仕組み
5-デアザフラビン(TND1128)は、長寿研究の分野でサーチュイン遺伝子との関連が研究されている成分です。NMNやNRのように「NAD+そのものの前駆体」として作用するのではなく、サーチュイン遺伝子の活性化とNAD+産生促進に関わる経路が着目されています。
サーチュインが活性化されると、PGC-1αが脱アセチル化(活性化)され、ミトコンドリアの生合成が促される経路が研究されています。つまり、5-デアザフラビンは「ミトコンドリアを増やすスイッチに近い上流」へのアプローチが期待されている成分です。
注意
5-デアザフラビンはサプリメント(食品)です。医薬品ではなく、特定の疾患の治療・予防を目的とするものではありません。研究段階の知見に基づく情報であり、個人差があります。
NMNとの違い
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)はNAD+の直接的な前駆体で、体内でNAD+に変換されます。一方、5-デアザフラビンはNAD+前駆体ではなく、サーチュインを介した別経路でNAD+産生促進に関与するとされています。
| 比較項目 | NMN | 5-デアザフラビン |
|---|---|---|
| 作用経路 | NAD+前駆体→体内でNAD+に変換 | サーチュイン活性化→NAD+産生促進経路 |
| 研究の蓄積 | ヒト臨床試験あり | 長寿研究・基礎研究が進行中 |
| アプローチの特徴 | NAD+を直接補う発想 | NAD+を産生するスイッチへのアプローチ |
関連記事: 5-デアザフラビンとNMNの違いを詳しく見る
体験者の声
40代男性・会社員の方
「以前はCoQ10を飲んでいましたが、あまり変化を感じられませんでした。5-デアザフラビンに切り替えてから、夕方の体の重さが和らいできた気がします。まだ数ヶ月ですが、続けてみようと思っています」
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
40代女性・フリーランスの方
「運動も始めましたが、それだけでは追いつかない感じがして、サプリも見直しました。細胞レベルから変えていくという考え方が自分には合っていると思い、5-デアザフラビンを試し始めました」
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
50代・自営業の方
「コロナ以降、体のキレが戻らないと感じていました。NMNも試しましたが、作用機序が違うということで5-デアザフラビンに変えてみました。継続中ですが、長期的に試していきたいと思っています」
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. ミトコンドリアを増やすのに最も効果が確認されている方法は?
A. 現時点でエビデンスが最も蓄積されているのは、中強度の有酸素運動(ゾーン2)の継続です。週3回・30分程度の有酸素運動がPGC-1αを活性化し、ミトコンドリアの生合成を促すことが複数の研究で報告されています。サプリメントや食事制限との組み合わせも研究されていますが、運動の継続が基盤となります。
Q. NMNと5-デアザフラビンはどちらを選べばいい?
A. NMNはNAD+の直接的な前駆体として補充するアプローチ、5-デアザフラビンはサーチュインを介してNAD+産生をサポートする可能性がある別経路のアプローチです。どちらが自分に合うかは個人差があり、専門家に相談のうえで選択されることをおすすめします。詳しくはこちらの比較記事をご参照ください。
Q. CoQ10はもう飲まなくていい?
A. CoQ10は電子伝達系の機能維持に関わる成分として、引き続き研究されています。ただし、NAD+の枯渇がある場合は上流からのアプローチが必要な場合もあります。どの成分を取り入れるかは、ご自身の状態や目的に合わせて検討されることをおすすめします。CoQ10が効きにくくなる理由の詳細はこちら
Q. 5-デアザフラビンはどのくらい継続すれば体感できる?
A. 個人差があるため一概には言えませんが、細胞レベルの変化は短期間では現れにくい場合があります。効果をサポートするため、弊社では初回から3回のご継続をお約束いただいております。体感には個人差があり、効果を保証するものではありません。
まとめ——ミトコンドリアを根本から底上げするために
ミトコンドリアを増やし、活性化するためのアプローチをまとめます。
- 運動: ゾーン2の有酸素運動(週3〜5回×30分)がミトコンドリア生合成に最もエビデンスがある
- 食事・断食: 16:8ファスティングやビタミンB群・マグネシウムの摂取でPGC-1αの活性化をサポート
- サプリメント: CoQ10・PQQ・NMN・5-デアザフラビンはそれぞれ異なるステップに作用する
- 40代以降の根本: NAD+の低下→サーチュイン不活性化→PGC-1α低下の連鎖を断ち切ることが鍵
運動や食事改善が効果を発揮しにくいと感じる方は、NAD+という「上流の問題」を見直すことが次のステップになる可能性があります。
関連記事: ミトコンドリア機能低下とATP産生の詳細はこちら
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、医療的なアドバイスや特定の疾患の診断・治療を目的とするものではありません。5-デアザフラビン 3000 Pure MAXはサプリメント(食品)であり、医薬品ではありません。特定の疾患の治療・予防を目的とするものではなく、効果には個人差があります。持病・服薬中の方は医師・薬剤師にご相談のうえご利用ください。記事内の体験談は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。